「高低差ありすぎて耳キーンなるわ」という有名なフレーズがありますけれども、珈琲店では「気圧」ではなく忙しさと暇さの落差が激しすぎて耳キーン状態になることがあります。
10月はそんな日の連続でした。
いや、愚痴りたいわけではないのです。
まがりなりにも5年やっておりますので、こういうことは初めてではありません。
原因を考えてみても仕方がないし「天気」みたいなもので誰が悪いわけでもない。
これは「運気」の問題なのだと割り切っています。
考えてみると「気」という漢字の付く言葉は文字通り気体のようでコントロールが難しい。
「雰囲気」「空気感」
カフェについて語られる際に多用される単語には曖昧なものが多いですが、それもそのはず、そもそもお客さんがカフェへ行くかどうか決めるのもその時の「気分」次第です。
生きる上で必須のものではありませんからね。
いやはや、なんとも緩い地盤の上で成り立っている商い。
いやしかし。
見ようによっては焙煎という作業も立ち昇る水蒸気と煙を見つめたり嗅いだりする、気体を扱う仕事ではないか。
弊店が相手にしている対象って、実はほとんど「気」にまつわるものなのではないか。
店内にお客さんのいない時間、こんなことに思いを巡らせた10月でありました。
おひとり専用・そして夜型。
この商売的二重苦を背負って(良かれと信じてやってることですが)、11月も曖昧さの中を泳いで参ります。
なにかの拍子に「気」が向いたら覗いてみてやってください。