営業時間変更のお知らせ

いささか唐突ではございますが、7月から営業時間を変更させていただきます。

13:00 – 23:00   7/1(日)まで

14:00 – 23:00  7/4(水)から

と、開店時刻が1時間遅くなります。

1時間余分に寝てやろう、というわけではございません。
この貴重な1時間を使って毎日の焙煎回数を増やし、在庫を切らしがちな「売り豆」を充実させていこう、という魂胆です。

「わざわざ営業時間変えなくても、そんなのお前が1時間早く起きればいいだけの話じゃないか」

……とは言わないでくだせぇ。
睡眠時間は1秒たりとも削りたくない、というのもまた本心であります。
その代わりといってはなんですが、7月以降、もし売り豆の在庫が枯渇していたらそれすなわち「寝坊」を意味しますので遠慮なく罵倒してください。

ちなみに怠惰な男は更新を忘れてしまいそうなので、このホームページおよび twitter、Instagram のプロフィール欄は既に「14:00〜」と変更済みです。

ご不便をおかけいたしますが、ご理解・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

焙煎 炊飯 キャラメリゼ

はじめちょろちょろなかぱっぱ。
土鍋炊飯のコツを示したこの言葉、一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。
最初は弱火で全体を穏やかに温め、途中で一気に火力を強めてふかせるのが良い、ということである。

コーヒー豆の焙煎を始めた当初、様々な本を読んでこれと同じようなことが書かれているのを多く目にした。
すなわち、焙煎においても最初は弱火(または遠火)で「水抜き」をし、水分が抜けたところでグッと火力を強めるのが良いのだと。
しかし、現在の僕の焙煎スタイルはこれをきれいに反転させたようなかたちになっている(厳密には浅煎り・中煎り・深煎りで火のいれかたを変えているので一概には言えないけれど、特に深煎りのプロセスにおいて)。
マニアの方々からのツッコミが怖いので詳細は省くが、要するに「弱火→強火」が善しとされているところを「強火→弱火」でやっているということだ。

僕は三年ほど前から米を土鍋で炊いている。
そして炊飯においても同じことをしている。
「はじめちょろちょろなかぱっぱ」を意識してうまくいった試しがない。
強火で一気に沸騰までもっていき、弱火でじっくり炊いていくというスタイルに落ち着いているのである。

もちろん焙煎も炊飯もこれが正解なのかどうかはわからない。
今現在、自分の中でうまくいっているのがこのスタイルだというだけのことで、これまでも様々な変遷を辿ってきたし今後もどんどん変わっていくと思う。
ただ、この類似点が個人的にはとても面白い。

さらに。
当店にお越しいただいたことのある方はご存知かと思うが、星屑珈琲では付け合わせとしてコーヒーにナッツのキャラメリゼを添えている。
正直に申し上げて、ナッツ類は原価も高いし手間もかかるしけっこう大変なのである。
ではなぜやめないのか?
焙煎に似ているからである。

砂糖と水飴と少量の水を火にかけて溶かし、ナッツに絡めながら熱していくわけだけれど、しばらくすると水分の蒸発とともに一度溶けたはずの砂糖が再び結晶化する。
ほんの数秒で全体が一気に白くなる様にはマジカルな趣があり、僕はこれを「1ハゼ」と呼んでいる。
さらに熱していくと、再結晶化した砂糖がまた溶けはじめる。
そして茶色く色づきだす(2ハゼ)。
そこからが正念場。
火を止めるのが早すぎると結晶のザラつきが残り、遅すぎると鼈甲飴的ベトつきが出てしまう。
このタイミングを見極める緊張感。
そう、まさに焙煎と同じ感覚!
もうお分かりであろう。
キャラメリゼの加熱も当然のごとく「強火→弱火」である。

ああ、長々と書いてしまった。
昨日お客さんにクルミのキャラメリゼを褒められてとても嬉しかったのだ。

DEATH MASS to DA DEAL

遅ればせながら明けましておめでとうございます。
新年早々なにやら訳の分からぬメタルバンドのアルバムみたいなタイトルをつけてしまいましたが、別段深い意味はありません。
2018年はブログの文体を変えますよ、という意味です。

どういうことかと申しますと、これまでの「です・ます」調をやめて文末を「だ・である」にさせていただこうと思っておるわけです。
書きにくいのですよ、「です・ます」調は、文章が。
なので今この瞬間から「だ・である」調にさせていただく。

人格が豹変して横柄になったように感じられるかもしれない。
いや、違うのだ。
調子に乗っている訳では断じてない。
謙虚な気持ちと感謝の念、それだけは東海圏随一だと自負している(こういう言い方が調子に乗っているのだが)。
「です・ます」だと書きにくい。
なんだか借り物のような、例えるなら他人の家の台所で料理をしているような、旅先でレンタサイクルに乗っているような、そんな感じで細かな自由がきかないのである。
ただそれだけのことなのだ。
どうかご容赦いただきたい。

ただし、臨時休業や営業時間変更等、こちらの都合でみなさまにご迷惑をおかけする場合は、やはり丁寧な口調でお知らせすることになるだろう。
「都合により次の日曜は休む」
なんて書いたらさすがに無礼が過ぎるからね。

さて、年が明けて早10日。
ありきたりではあるが抱負のようなものをここに書き留めておこうと思う。
今年の抱負は2つ。

1. ブレンドを作る
開店時にはメニューにあったブレンドであるが、「どのストレートよりもおいしくない!」と思い早々に引き上げていた。
いつかここでも書いた通り、ブレンドは 1+1 が 3 にも 4 にもなる世界である。
2 ではつまらないし、0.5 になるならばそもそも混ぜる意味がない。
そう考えていたのだが、最近になってブレンドには豆の個性を弱める効果もあることを知った。
個性は時として、あるいは飲み手の好みによって、悪い意味でのクセになる。
そのクセを中和することによって「飲みやすい」「親しみやすい」味作りができるのではないか。
足し算や掛け算ではなく、割り算のようなイメージでブレンド作りを始めてみよう。
そんな考えに変わってきている昨今なのである。

2. 太る
年末年始、常連さんや久しぶりの友人たちから繰り返し投げかけられた言葉たち
「痩せた」
「やつれた」
「頰がこけた」
「大丈夫?」
「お前ガリガリだな」
そ、そんなに?
飲食店の主としてこれは由々しき事態。
僕は決して少食なわけではないのだが、もともと体質的に太りにくいのに加え、湯豆腐や蕎麦など食の好みが老人のようなところがある。
おそらく摂取カロリーよりも消費カロリーの方が勝ってしまっているのだろう。
いかんせんサラリーマン時代に比して労働時間は倍近くになっている。
なので今年は意識的に高カロリーなものを摂取していく。
腹八分では止めない。
おいしいものをたらふく飲んでたらふく食べる。
そんな年にしたい。
そして体力の限界を感じたら無理をせず、倒れる前にちゃんと休む。
30代ももう半ば。
新米の店とはいえ主の体は決して若くないのだ。
多々ご不便をお掛けするであろうが、暖かく見守っていただけると幸いである。

追伸
亜鉛のサプリメントを飲み始めたら面白いように味覚が復活した。

スランプ

商いをしている以上こんなことをわざわざ公表すべきではないのでしょうが、ここのところスランプに陥っております。
ただでさえ未熟な焙煎とお菓子作りがなおさらうまくいきません。
いつも通りのものをいつも通りの手順でなるべく丁寧にこなしているつもりなのに、結果できあがるもののレベルが落ちている。
場合によっては廃棄せざるを得ないほどにひどい仕上がりになるのです。

寒くなった影響だろうか、いや、材料が悪いのではないか、いや、あれのせいかもしれないしこれが原因かもしれない……となるともう何を信じればいいんだか分かりません。

このままではいかん、ちょっと外の空気を吸いに行こう。
と思い立ち、急遽日帰りで東京へ行ってきました。
好きなお店、尊敬するお店、そして気になる新店。
合計 7 店を一気に駆け巡った過密スケジュール。
コーヒーを飲みすぎてお腹がコポコポです。

でも残念なことに、心底おいしいと思えるものはありませんでした(失礼)。
老舗のブレンドも「ふむ」。
必ずおいしい甘みを出してくれるいつものお店のデミタスさえ「ん?」と思える。
大好きな蕎麦屋も必ず立ち寄るカレー屋も「あれ?」
なにかがおかしい。

深夜。
疲れ果てて名古屋へ舞い戻った僕は料理をするような気力も残っておらず、コンビニでカツ丼を買って帰りました。
するとどうでしょう。
味が薄い。
コンビニのカツ丼の味が薄いのです。
そんなはずないではありませんか。
コンビニのカツ丼が薄いはずないではありませんか。
そこで、僕は気づいてしまいました。
そうか。
やはりそうであったか。

結局おかしくなっていたのは僕の味覚の方だったようです。
しっかり鉄分を取ろう、という結論を得た休日でありました。

流行ると流行らない

自分としてはそんなつもりがなくとも気が張っていたようで、開店からずっと浅い眠りが続いていました。その反動でしょうか、久々に15時間ほどの睡眠をむさぼってしまい、せっかくの休日が台無しです。

当店にリピーターさんが多いとは既に申し上げた通りでございますが、あれから一週間、「すごく多いなあ」と感じております。
これまでの営業日数は12日。
そんな短い期間に、2回どころか3回4回、はたまた5回とご来店いただいている方が何名もいらっしゃいます。
心底ありがたいと同時に心底「なぜ?」と思います。
修行もせず、師匠もおらず、接客の経験すら乏しい男が好き勝手やっているだけの底の浅い店です。
いつ愛想を尽かされるのだろうか。
喜びは常に不安と表裏一体です。

夕方に目覚めた休日、夜な夜な実家近くのバーへ行きました。
渋くてお茶目で格好いいマスターがお一人で切り盛りされている、暗くて静かで素敵なお店です。
僕がぽつりぽつりと当店の話をしていると、マスターはこんなことを仰いました。
「バーは流行ると流行らなくなる」
曰く、静かな場所を求めているお客さんは、その店の席が埋まれば埋まるほど足が遠のいていく。
パタリと来なくなり、でもしばらくして店が苦しくなった頃にまた戻ってくる。
そしてまた繁盛する。
来なくなる……。
良い時・悪い時の波が繰り返し続くのはこの商売の宿命なのだと。
昔、先輩に教わったのだそうです。

わかるなあ、と思いました。
お客さんの立場として、僕自身がそういう人間だからです。
空いている店が好きなのです。
賑やかで活気のある店は苦手です。
だからこういう店を始めたわけです。
一方で、商売としてはなんともジレンマなコンセプトだなあ、と自分で思います。

先週は大変ありがたいことに一度だけ満席になりました。
でも勘違いしてはいけません。
営業時間の大部分、星屑珈琲はずっと空いています。
そしてみなさまのお越しをお待ちしております。
悩むにはまだまだ時期尚早ではございますが、満席になってもなお静かで居心地の良い空間というのは作れないものか、ぼんやり考えながら営業して参ります。

 

開店から10日が経ち

当店の定休日は月と火。
二日間のお休みをいただいております。
当初は「新参者が最初から休みすぎかな?」とも思いましたし、実際に親しい知人からは「商売舐めてるね」と言われたりもしましたが、体力のない男は結果的にこれで良かったと胸をなでおろしています。
休みといっても、月曜のうち半日は店で掃除や雑務をしておりました。
火曜は終日焙煎三昧です。
週休一日ではとても身が持ちません。

さて、開店から10日が経ちました。
まだまだとても短い、店の体制としても未だスタートラインから抜け出せていない未熟な状況ではございますが、短いながら分かったことや気付いたことがたくさんあります。
まだご来店いただけてない方の参考のためにも、当店の特徴を以下に書き留めておきます。


滞在時間が長い
開業前より、当店ではお客さんにゆっくりお過ごしいただきたいと願っておりました。
しかし、まさかそれがここまでのレベルで実現するとは……。
厳密に計測しているわけではありませんが、およそ8割のお客さんが1時間以上、そのうち3割のお客さんが2時間以上滞在されています。
「回転率は?」などと無粋なことを言ってはいけません。
未だ満席になったことのない当店、長居は大歓迎なのでございます。
むしろ30分以内で席を立たれてしまうと「なにか気にくわぬところがあったのだろうか!」と不安に襲われてしまうほどです。

お客さんが素晴らしい
失礼ながらこれも驚きのレベルでした。
当HPにはいくつかうるさい注意書きがありますが、そんな心配は無用だったようです。
マナーが悪いな、と感じたお客さんはただの一人もいません。
小さなお子様含め、みなさん静かに本を読んだり穏やかに会話なさったりしています。
焙煎に詳しい方がご来店された時などは緊張と興奮のあまり当の僕が一番やかましい人間になってしまいました。

リピーター率が高い
当店の集計によると、これまで7日間の営業でお越しいただいたお客さんの数は約140名。
そのうち2度以上ご来店いただいた方が……いまパッと頭に浮かぶだけでも15名ほどいらっしゃいます。
10日間で同じ店に何度も行きますか?
僕は行かないですよ。
なのでものすごく嬉しいです。
そしてリピーターさんの多くが仰るのが「広告を出さないでほしい」「目立つ看板を出さないでほしい」「秘密にしておきたい」といったことです。
正直に申し上げまして、現状宣伝活動がほとんどできていないのも看板に照明があたっていないのも、「あえてやっていない」のではなく「できていない」だけです。
もちろん方法や媒体は吟味しつつですが、これからどんどんもっと多くの方に知っていただきたいと思っているので、これは嬉しくも悩ましいところです。

本を読む方が多い
当店は「ブックカフェ」を標榜するつもりはなく、そもそもそんな資格もなく、あくまでコーヒー主体の店を目指しています。
カウンター席に文庫本を並べたのは「どうぞごゆっくり」というメッセージを暗に伝えるためでした。
店奥の本棚に至っては光を反射させる(天井のスポットライトの光はあまり横に広がらず、奥の壁がなんだか薄暗かった)ために開店2日前になって急遽自宅から運びいれたものです。
ところがどっこい、皆さんけっこう本棚をご覧になります。
(自分の本棚を見られるということがここまで恥ずかしいことなのか、ということも初めて知りました)
もちろん本を持参する方も多数。
複数の人が同じ空間に集い、じっと本を読んでいる。
その光景の美しさといったら、まあ!

夜には必ず誰かがいる
5時間誰も来ないこともありました。
そんな時は死が頭の片隅をよぎります。
瞬く間に満席に近くなることもありました。
そんな時は素晴らしき哉、人生! と思います。
完全に情緒不安定な人です。
ただ、特徴的だなと思うのは当店営業時間の終盤、午後9時〜11時。
この時間には少ないながらも必ずお客さんがいます。
そして「この時間に開いていてくれるのはありがたい」と感謝されます。
採算が合うようになるのかはまだわかりません。
しかし夜営業はお客さんも僕も適度に疲れて心なしか空気がユルくなり、且つとてもやりがいを感じるので余程のことがない限り続けようと思います。

そしてびっくりするほど儲からない
これは余談です。
愚痴みたいなことを言ってすみません。
今後あれやこれやと試行錯誤して参ります。
細かな変化を偵察しにお越しいただけると幸いです。

開店

7月1日、土曜日、13時、星屑珈琲は無事に開店の時を迎えることができました。
お越しいただいたみなさま、遠方よりお祝いしてくださった方々、心より御礼申し上げます。

さっそくではございますが、3日(月)と4日(火)は定休日のためお休みをいただきます。
とは申しましてもただ家で寝転んでおれる状況ではございません。
2日間の営業で判明した「足りないもの」「足りないこと」を充填すべく奔走するつもりでございます。

「静かな夜型喫茶」という形態にどれほどの需要があるのかは未知数です。
いや、ひょっとするとあまり需要がないからこのような店が少ないのかもしれません。
たぶんそうなのでしょう。
ただ、この二日間だけでも「やっとこういう店ができた」という熱いお言葉を複数のお客さんからいただきました。

当店のコンセプトは「群れない魂の止まり木」。
これは「独立した個々人が集い、静かに豊かな時間を過ごせる場所」というような意味です。
数少ない、しかし確実に存在する、このコンセプトに賛同していただけるみなさまに確実に当店の情報を届けること。
すなわち、今後はこれまで圧倒的に足りなかった宣伝活動に力をいれることが必要だな、と感じました。

水曜日からは通常運転がはじまります。
まだまだ不完全で未熟な店ではございますが、今後ともどうか星屑珈琲をご贔屓くださいますようお願い申し上げます。