過眠症経過報告

弊店、1/24より長い休業に入っておりました。
店主持病の反復性過眠症が2年ぶりに発症してしまったためです。
SNS では告知しておりましたが、肝心なこのホームページの更新を怠っておりました。
申し訳ございません。

回復の兆候が見え始めたので 2/13 よりリハビリ的な短時間の営業を再開しておりましたが、あいにく未だ睡眠が不安定でございます。
これを書いている前日にも27時間睡眠をやらかしてしまいました。

早く営業スケジュールを出したいものの、いかんせん翌朝起きられるのかどうかが自分で分かりません。
この過眠症状が出ている期間は平気で丸1日ワープしてしまったりするものですから。

なので 2/21(水)よりしばらくの間、営業時間は当日お知らせすることにいたしました。
お手数ですが、Instagram のストーリーズ または X (twitter) をご確認ください(当ホームページは更新に要する手間が多く即時性に欠けるので触りません)。

なお、「行ったら休みだった」現象を減らすために Google Maps は「臨時休業」としてあります。

完全に回復した時にまた更新します。
どうか気長にお待ちいただけますと幸いです。

1/8 – 2/4

あけましておめ……。
とは言い辛い年明けとなってしまいました。
しかし、おめでたくない場合の年始の挨拶を私は知りません。
あけまして……。
あけまして……。
本年もどうぞよろしくお願いします。

「おひとり専用喫茶」になってから丸3年が経ちました。
この形式で店を続けていられるのは稀有な事例だと自負しておりますので今後も続けていく所存であります。
が!
「行ってみたいけど怖くて入れない」みたいな声が(人づてに)耳に入ったりしますので、たまには「2人組OK デー」を設けてみようかなと最近思い立ちました。
かといって「おひとり専用」であることを気に入ってくれているご常連さんの混乱を招いてはいけないので、普段は定休日である月曜をメインにやっていくことになると思います。
ちょうど月曜は祝日も多いことですしね。

取り急ぎ1/8(月)、成人の日にやってみます。
2人組OK。
(3人以上は席数的にもオペレーション的にも厳しいですご了承ください!)
14:00 – 20:00
別に怖くもないし大した店でもないな、ということを確認する機会にしていただければ幸いです。

年末年始

夏は余裕だった「田中みな実式生活」。
すなわち毎日3リットルの水を飲む習慣。
さすがにこう寒くなると日々のノルマ達成に強靭な意志力を要するようになってきましたが、店主、人知れず継続しております。

40になったからでしょうか、これまで見向きもしなかった健康情報や小馬鹿にしてきた意識高い系習慣についつい関心が向いてしまいます。
もずく酢の克服。
サウナ瞑想。

そんな私が最近新たに手を出したのが「アロマ」。
写真右手に見切れておりますのは無印良品・超音波アロマディフューザーでございます。
ひょっとしてこいつは睡眠の質をあげてくれるのではなかろうかと思って半ば衝動的に買ってみたところ、これが大正解。
間違いなく寝つきが良くなりました。

ベルガモットにジュニパーベリーにゼラニウム……etc.。
早くも毎晩配合を変えて楽しんじゃったりしておりますけれども、精油の世界も凝りだしたらキリがなさそうな沼の気配がプンプンするのであまり深入りしないように気をつけなければなりません。

「お前はろくにコーヒーのブレンドもしないくせになにゆえエッセンシャルオイルを嬉しそうに混ぜておるのだ。コーヒーをやれコーヒーを!」

こうしたご批判は甘んじて受け入れます。

みなさま良いお年を。

11/6 〜 12/3

サマータイム終了。
季節の移り変わりとともにだんだん夜が寂しくなってきましたので今週よりウィンタータイムに移行します(夜型喫茶定着への道は険しい)。
営業時間が1時間繰り上がるのでご注意願います。

おかげさまで店主の引越しは無事完了しました。
幼少期からカウントしてみたら人生16回目の引越し。
私は引越し大好き人間です。

通常、引越しというのは必要に迫られてするものだと思います。
入学だとか就職だとか転勤だとか結婚だとか子供の学区がどうだとか。
しかし今回の私の引越しは違います。
転居の必要性などまるでない中、純然たる「引越し欲」のみに従ってとった行動なのであります。
旧居から新居までの距離はわずか300m。
郵便番号すら変わらない引越し。
変わったのは間取りだけ。
それでもなかなか血の気の引ける金額が吹き飛んでいくのが引越しの宿命。
まともな大人はこれを無駄遣いと呼びます。
しかし。

小説でも映画でも絵画でも、ものの見え方・感じ方を「少しだけ変えてくれる」タイプの地味な作品が私は好きです。
その場その瞬間に強い刺激を味わうものよりも、脳の回路がわずかに書き換えられて観賞後(読後)もそれが持続するかのような……。
私にとって優れたアートとはそのようなものです。
引越しにはその感覚があります。
今まさに、住み慣れたこの街が「少しだけ」違って見えています。
つまり引越しとはアートなのです。

余談ではありますが、新居の風呂場が磁石のくっつくタイプだったので山崎実業の tower シリーズを使って色々浮かせてみました。
シャンプー類はもちろん湯桶・風呂椅子・風呂蓋まで全てを壁に貼り付け、床には何も接していない状態。
これは想像を超えてとても快適でした。

10/2 〜 11/5

(投稿したつもりができていませんでした。10/7 再UPです。遅くなり申し訳ございません。)

今月は下旬に遅めの夏休みをいただきます。
自宅の引越しをする予定です(ワクワク)。

特にネット関係の契約をする時なんかに顕著ですけど、世の中には「このキャンペーンを適用するには一旦○○に加入していただく必要がございます。必要でなければすぐに解約していただいて構いません」みたいなフォーマットの商売がありますよね。
私、あれが苦手です。
「形だけ加入していただくだけで結構です。一カ月以内に解約していただければお金は一切かかりません」
大の苦手です。

この度の引越しにあたって様々な手続きや買い物をしておりますが、行く先々で上記のような話が出てきてうんざりしています。
今日は丸一日かけて家電量販店を巡ったというのに、どこもこんなのばかりで結局何も買わずに帰って参りました。
「ご案内のお電話を受けていただくことが必須になります」
なんじゃそりゃ。
私には動画配信サービスもウォーターサーバーも青汁定期便も必要ない!
必要なのはシンプルな冷蔵庫とシンプルな洗濯機だけだと言っているではないか!

店をやっている身としてはなるべく実店舗で買い物をしたいという気持ちが強いのですけども、なんだか疲れ果てて「もういいや。全部ネットで買っちゃおう」となってしまいました。

シンプルに。
シンプルに。
自分の商売は極力シンプルにしていこうと決意を新たにしたのであります。
弊店も今月から値上げに踏み切りますが、これに関しましましても付加価値なしのシンプルな値上げになる予定でございます(小声)。

9月

① 価格改定のお知らせ
来月(10月)より値上げをいたします。
店を始めた頃に比べ、コーヒーの生豆価格は3〜4割上昇。
卵や乳製品も1〜2割上がっています。
売上は横ばいでも手元に残るお小遣いは右肩下がり。
このままでは毎晩もやし炒めしか食べられなくなってしまう!
できれば見事苦手克服に成功したもずく酢も食べさせていただきたい。
一品あたり50円程度の値上げになると思いますが、決して暴利を貪っているわけではないことをどうかご理解ください。

②混雑タイム
すいている時間についてよく尋ねられます。
弊店は店の性質上ゆっくり過ごしたいお客さんが多いのでお気持ちはよく分かります。
しかし残念ながら弊店のお客さんの動きに決まったパターンはありません。
時間・曜日・天気に関係なく混む時は混み、暇な時は暇です。
ただ、「ここだけは確実に混む」時間というのはあります。
それはずばり土日の開店時間(15:00)。
開店から数分で満席になることが多いので、せっかくお越しいただいても入れない、もしくは1時間ほどお待ちいただくことになってしまいます。
数時間後には「そして誰もいなくなった」状態のこともよくありますのでご都合のつく方は時間をずらしてみてください。

8月の営業予定

仕事の都合で名古屋を離れるというお客さんから一冊の本をいただきました。
Kさんは本業の傍ら詩人(それも現代詩!)としての顔も持っており、若手詩人仲間のアンソロジーを自ら企画して最近出版したとのこと。

現代詩、って読んだことありますかみなさん。
誤解を恐れずに言えば、多くの人にとって「わけのわからない文章」であると言ってしまって差し支えないかと思います。
正直私もよくわかっていません。
ただ、若かりし頃に一度わかろうとしたことがあります。

大学生の頃、まともに読んだこともないくせにただ「詩人」という響きのかっこよさに憧れて現代詩のサークルに首を突っ込んでみたのです。
結局深くのめり込むことのないまま短期間でフェードアウトしてしまったのですが、何度かお邪魔した部室にいた人のことは強く印象に残っています。

複雑な現代社会を器用に生きる、とか、稼ぐ、とか、そういうのとは別の(というか逆の)ベクトルで桁違いに頭脳明晰な人。
あるいは近年いきなり登場したHSPなんていう弱者の被害者マインドにつけ込……(自粛)……みたいな概念とは次元の違うレベルで感受性の鋭すぎる人。
わからないながらも「すごい」と感じる詩を書くのはそういう人たちでした。

一見よくわからない文章でもただデタラメに書かれたものではなく、当然狂人が書いたものでもなく、むしろ「どこか秀でている」人たちが己の持てる知性と感性を総動員して一語一語を配置し構成されているものだったわけです。
このことがわかっただけでも私にとっては大きな収穫でした。

頂いた本では15名の詩人の各作品に続いてお仲間による相互評が付されており、様々な読み方・解釈が提示されています。
私は先ほどから便宜的に「わからない」という言葉を多用しておりますけれども、相互評を読んでいると現代詩の解釈には必ずしも「正解」があるわけではないことがわかります。
ではどこまでも自由かというと、自由ではあるが自由には責任が伴うというか、「何度も丁寧に読む」ことが解釈の最低条件であるということも同時に突きつけられます。
「作品→相互評」
この構成はお見事でした。

現代詩の入門書はいくつか読んだことがありますが、『とある日』は現代詩に触れたことがない人が初めて手に取るにふさわしい良書だと思います。
そしてなにより、頭脳と感性の研ぎ澄まされた20代の若者たちが実利とは無縁の営みに今日も本気で取り組んでいるのだと思うと私はワクワクが止まりません。

7/3 – 8/1

毎度投稿が遅くなり申し訳ありません。
今月はこのようなスケジュールで営業します。

おかげさまで星屑珈琲は無事に6歳を迎えました。
いつだったか以前にも同じことを申しましたが、弊店が誇れることはただ2つ。
ジェントルな客層。
そして1度もゴキブリが出現していないことだけでございます。
改めて感謝申し上げます。

コーヒー屋の6歳というのは言うまでもなく若輩中の若輩、青二才でございます。
しかし1人の人間にとっての6年というのはなかなかバカにできない長さでありまして、開業時33歳だった店主もいつのまにか40を目前にしております。
そろそろしっかり健康を気にしなくてはならない年齢でありましょう。

かつてコンビニで買うものといえば菓子パンにコーラ、カップ麺やポテチなどでしたが、それらに手をのばすことはほとんどなくなりました。
代わりにカゴに入れるのはめかぶに納豆、鯖の水煮。
来年あたりには大嫌いなもずく酢を常備するようになっているかもしれません。
1日に水を3リットル飲む「田中みな実式生活」にも挑戦してみたりなんかして、最近の私はなんだか意識高い系みたいで我ながら鬱陶しい奴です。
ただ、意識せざるを得ないほど中年化の波は勢いがすごい……。

なんの後ろ盾もない体が資本の自営業。
今後は老いとの闘いになりそうな予感がしています。

6/5 – 7/2


7/1で星屑珈琲は開業から6年になります。
しかし、コロナ・ビルの大規模修繕工事・店主の眠り病によって、そのうち1年分くらいはまともに営業できていないので体感的には5周年と言った方がしっくりときます。

思えば6年間、店内イベントみたいなことを一度もやっていません。
そして今後もやる予定はありません。
開業準備中は色々と妄想したものです。
展示・コーヒー教室・読書会・フリーマーケットなどなど。
しかしいざ店を始めてみるとまるで食指が動きませんでした。
自分らしいなと思います。
小学校の運動会、あるいは高校の文化祭。
「お祭り」に燃えるタイプか否かで、おそらくこういうのは大人になる前から既に向き不向きが確定しているのだと思います。
もちろん私は冷めていたタイプ。

一方、現在親交のある数少ない友人・知人には「燃える」タイプの人が多いように思います。
傍から見ていていいな、素敵だな、と思いますし、おそらく燃えられた方が人生楽しく豊かになるような気がします。

とはいえ所詮屑は屑。
輝く星への憧れは胸に抱きつつ、不燃ゴミにしかできないことを今後も模索して参ります。

5/1 〜 6/4

今年のゴールデンウィークは私用でお休みをいただきます。
もしご来店を予定されていましたらただただ申し訳ございません。

24〜25歳の頃、東京で短期のアルバイトを転々としながらフラフラとその日暮らしをしていた時期があります。
そんな中、データ入力かなにかの仕事で派遣先に出向いたところ初日からシステムがダウンして約5時間ひたすら待機、という日がありました。
そこでたまたま隣り合わせた同年代の男の雰囲気に自分と同じ匂いを嗅ぎつけた私。
話してみると「なんと」というか「やっぱり」というか、小説家の保坂和志氏 が好きだという共通点が見つかりました。
それがM君との出会いです。

ただ好きというばかりでなく、M君は保坂和志(の小説世界)的生活をしていました。
東中野だったか下落合だったか中井だったか、たしか私も一度お邪魔しましたけれども、古い戸建を数人の友人と共同で借りて暮らしていたのです。
その家には日々さまざまな人が遊びに来るだけでなく、近所の猫も気軽に出入りしているのだとか。
青春ものの日本映画や若手ミュージシャンのPVに出てきそうな、錆びた物干し台の似合う小さな屋上もありました。

少し前までは〈多くの古書店主を輩出している有名な古書店〉でアルバイトをしていた。
今はフリーターだが自分も将来は古本屋をやりたい。
最近はフリーマーケット等のイベントに出店して自分の本を売ったりしている。
M君はなんだか物語の中の人みたいでした。

今になって冷静に考えてみるとM君と過ごした期間というのはとても短く、酒を酌み交わした回数も片手で足りる程度だったのかもしれません。
しかし東京での日々を思い返す際、不思議とM君の顔はわりと序盤に出てきます。

最後に会ったのは2016年。
サラリーマンだった私が中目黒の古書店で出張コーヒーをさせてもらった日だったと記憶しています。
その時点で5〜6年ぶりの再会、共に30歳を越えていました。
不慣れ且つせわしない環境で二三の言葉しか交わせませんでしたが、今は(たしかWEB系の)定職に就いているのだと聞いて「やっぱり」と思いました。
幻滅したとかそういう意味ではなく「30だしそりゃみんなまともな大人になっていくよな」という、どちらかというとむしろ置いて行かれたような気分で。

そこから特に連絡を取り合うこともなくさらに7年が経過し、時は2023年4月。
年に数回しか投稿されないM君のTwitterに動きがありました。

「古本屋を開業しました」

「なんと!」と同時に「やっぱり!」と思いました。
それは激しく嬉しいタイプの「やっぱり」でした。

後付けだと言われればそれまでですが、最初に嗅ぎつけた自分と同種のあの匂いは「勤め人が勤まらない人間」の匂いだったのだと思います(失礼)。

きっと滋味深い古書店になると思います。
古本屋 汀線 https://www.teisen-books.com/

さっそく『記憶のつくりかた』という詩集を買いました。
私の記憶力はまるで信用ならんので、この文章でも意図せず無自覚に「つくって」いる部分があるかと思います。
あしからず。

古書好きのあなたはぜひ一度覗いてみてください。

#星屑珈琲