年末年始

コロナを機に「おひとり専用喫茶」を始めて丸2年。
当初はそう長くは続けられないだろうと見込んでいましたが、おかげさまで店はなんとか成り立っています。
「おふたりOK」時代と比べると売上◯◯%減。
水面すれすれの飛行ながら、そろそろブルーインパルスからスカウトされるんじゃないかというほどに安定感は抜群です。

まだそんなにコロナ気にしてんの?
たまにこう言われたりしますけども、今となってはもはやコロナは関係ありません。
どういうことかというと……。

「街の中に静かな空間を作る」
これが開業にあたっての最たる目標でありましたから、初年度よりそのような店づくりを心掛けて参りました。
しかし「静かさ」というのは単純なようで実現するのは思いのほか難しかった。
ちょうど愛煙家と嫌煙家のように、会話を楽しみたい人と静寂を享受したい人というのは同じ空間を幸福なかたちで共有することができません。
千客万来というスタンスは必ず誰かに我慢を強いる結果を招いてしまいます。
だからといって細かなルールを設けてみても万人に周知徹底するのは不可能に近い。
弊店の場合は声量を注意せざるをえない場面が頻発してしまっていたわけですが、誰ひとりとして悪意があるわけではないのでこちらとしても申し訳なく胃が痛い……。
etc. etc…

そんな諸問題が期せずして「おひとり専用」というシンプルな線引きによってあっさり解決してしまった。
加えて、アイデア自体は誰にでも思いつく陳腐なものでも、がっつり実践している店は全国的に見ても希少らしい。
なにそれ、ちょっとやりがい感じちゃう。
そう思って続けているというのが実際のところです。

そんなわけでひとまずは2023年も「おひとり専用喫茶」でスタートする所存です。

ちょっと気が早いですけど、みなさま良いお年を。